韓国スラロームチーム「Double Wheel」訪問記
- 韓国インラインスケート事情 -
Jun.28.2003

Korean Slalom Team
DOUBLE WHEEL
■ 韓国スラロームの状況
韓国第3の都市、大邱(テグ Taegu)市のスラロームチームDoubleWheelのリーダー、Kim(金
柱錫 JuSuk Kim)さんがウチのホームページに書き込をしてくれた直後に、偶然にも韓国を訪問するチャンスが訪れたので、韓国南部の大邱に一泊してDoubleWheelの練習に混ぜてもらい、最近の韓国インラインスケート事情について詳しく話を伺ってきた。
韓国では、メーカー・ショップ・連盟の協力によるプロモーションが成功し、ここ1〜2年インラインスケートが大流行している。おそらくアジアでは最もインラインスケートが普及している国であろう。カテゴリーのメインはSpeed
Skateで、たとえばInline Speedのチームは、大邱だけでも小さなものまで含めると百近くあるのだという。とはいえ、これらのチームに所属するスケーターの全てがレーシングスーツに身を包んでレースをしているわけではなく、多くはFitness用の5輪を履いてFitnessの延長線上で楽しんでいるらしい。こういったスケートの楽しみ方は道満5輪ジャーと同じなので、とても親近感を感じる。
■ 韓国スラローム事情
Kimさんによると、元々、韓国ではSlalomを楽んでいる人はいなかったが、昨年埼玉のKazuさんによって制作された日本のSlalom
Videoの名作、「ISSUEシリーズ」に触発されて、各地でスラロームチームが出来たのだという。これらのチームのほとんどはソウルとその周辺にあり、大邱のDoubleWheelはつい半年前の12月にチームを結成したばかりの新興勢力とのこと。なお、日本のSlalomに触発されてスタートした韓国Slalomではあるが、現在は日本風Slalomではなくヨーロッパスタイルが盛んになっている。
韓国では、インラインスケートイベントが各地で頻繁に開催されており、立ち寄った日の翌日も、大邱のインラインフェスティバルが開催されるとのことだった。イベントのメインは、一般スケーターが堂々と街乗りできるCity
Runらしい。こういったイベントは日本には全くないので非常にうらやましい。で、イベントの一部としてスラロームのデモもあり、DoubeWheelも協力する予定だという。
そして、最近ではSlalomの大会が、TV局、ショップ等企業の主催で大々的に行われているという。当初はソウル周辺の老舗チームが強かったが、ここのところDouble
Wheelのトップスケーターが好成績を納めはじめたとのこと。Kimさんはスケートを始めてまだ1年、スラロームを始めてからたったの6ヶ月。でも、実力はすでに韓国トップレベル(世界でも通用するレベルだと思う)なので、春のソウルの大会で上位入賞を果たした。今回、ラッキーなことにDouble
Wheelの練習会に参加させてもらえたので、なぜ、彼らはこんな短期間で上達するのか、その秘密を探ってみた。

大邱市インラインフェスティバル |

大邱市の繁華街にて |
■ Double Wheel 練習会
Double Wheel は基本的に毎日(!)練習する。平日は夜9時〜深夜まで、休日は終日滑っている。Kimさんはスラロームを始めた12月から、一日も休まず練習していると言っていた(いくら若いとはいえ...(^_^;
これがキムチパワーなのか?)。普段は市の中心部にある国債報償運動記念公園で練習するのだが、ワタシの訪れた日はあいにくの雨だったので、いくつかある雨天練習場所のうちの一つ、郊外の市場の屋根付き駐車場で夜9時から23時半まで練習した。
駐車場は照明十分、路面はすべすべのコンクリート、車は止め放題(そりゃ、そうだ。駐車場だもん)、雨の問題いっさいナシ、と、とてもうらやましい環境。DoubleWheelのメンバーは手際良くマーキングをしてパイロンを並べていく。間隔は、60cm、90cm、120cmの3種類。すべての間隔で練習することが重要だという。9時前頃から続々とメンバーが集まり、この日は約30人が集まった。なお、DoubleWheelのメンバー数は約60名。学生から40代まで、女性が半数近く。現在も続々新しいメンバーが加入してきており、日を追ってどんどん大所帯になっているらしい。
DoubleWheelでは、Slalom技術を6段のレベルで定め、各自、次のレベルを目指して練習している。基本は全ての間隔でBack
Cross、Back Snake、One Footが高速にできること。で、この日、ワタシはこれに挑戦したのだが、普段練習していない60cmではどうしてもパイロンを蹴ってしまい、とうとう貫通できなかった。ということで、ワタシは初級に届かない入門レベルということになってしまった(^_^;
60名のメンバーの中で、韓国トップレベルはKimさんを含む5名だという。この日はそのうち2名のSlalomを見ることができた。Kimさんは、Videoで見てもわかるように、とても技が大きく、速く、ダイナミック。今までワタシの見たことの無いタイプで、一目見て独創的な滑りのファンになってしまった。もう一人は
Sebスタイルのスケーター、HyungKi Kimさん。今やSebがVideoで演じている技は、全て同じかそれ以上のスピードで演じることができる。彼はひそかに韓国のSebastienと呼ばれているらしい(日本のSeb、がんばれ!
笑)。ちなみに、最新のSebのVideoについては、新しい技に挑戦しているがスピードが以前よりも落ちているのでガッカリしているとのこと。すでにDoubleWheelはSebを超えつつあるようだ。
ワタシは残念ながら会えなかったか、変幻自在のCrazy
LegsのTaeSik Ohさんや、その他にも普通に上手いレベルの若手スラローマーは大勢おり、彼らが優秀な先輩に指導を受けて毎日練習を続けたら、半年後にはSebやVincentレベルがワンサカということになりそうである。ただし、練習は体育会系という感じではなく、和気あいあい、みんなで楽しんでいるという雰囲気。若い女性スケーターも多いので、とっても華やいだ感じだった。
■ Inline Skate ショップ "InlinePark"
練習翌日も雨だったため、Kimさんにいつもの公園のすぐ脇にあるインラインスケート専門ショップ"InlinePark"に連れて行ってもらった。大通りに面したとても綺麗な店で、ここの店員さんもDouble
Wheelのメンバーだった。韓国ではInline Skate人気が高いため、普及モデルは各地のショッピングセンターで沢山販売されている。従って、専門ショップの取り扱いは高級モデル中心となる。高級4輪、5輪、レース用5輪が壁一面に綺麗に展示されていた。
日本では展示されていない珍しいモデルが沢山あった。まず、スラローマー御用達モデル、日本未入荷のTecnica
Twister Plus。Double Wheelメンバーの多くが履いていた。基本は黒だが、イエローっぽいオレンジも一部あるらしい。Kimさん曰く、Twisterよりも軽い分スピードに乗りにくいんだという。上級者は皆、韓国では入手できなかったTwisterを欲しがっていた。とはいえ、KimさんはTwister
Plusでガンガン飛ばしているわけだから、上級者のみにわかる微妙な差なんだろうけど。
ちなみに、ワタシが何故Twister Plusを買ってこなかったかというと、理由は簡単、単に26cm以上が売り切れだったから(笑)。今は韓国中で欠品中らしい。27.5cmはありませんでした。お遣いを果たせなくてスマン>だんな殿。次の入荷は来月7月だというから、欲しい人は4万円持って韓国に行こう!(笑)
今回は仕方がないので、代わりに道満レディース用に23.5cmを買って帰った。(で、このシューズはりょおさんのモノに...グルグルがスピードアップしたことは言うまでもない(後日談))。なお、日本未入荷のCrossMax2は残念ながら売り切れで見られなかった。
また、さすがSpeed人気の高い国、5輪シューズがとても充実していた。Fitness系5輪はRB以外全てがそろっていたし(RBは韓国では人気が無いらしい)。FILAやK2のレーシングモデルMod
Xも展示されていた。そして、なんとPowerSlideのレーシングシューズやレーシングスーツまでも展示してあった。ワタシはPowerSlideの最上級シューズは初めて見たが、とても軽く、綺麗な仕上がりだった。ズーズーしくも履かせてもらって店の中を滑らせてもらったが、masaさんの持っている下のモデルと足形は同じ感じで、カカトがゆったりと作られていた。足形が合えばいいかも。

Inline-Skate Shop "Inline Park" |

明るい店内 |

Fitness Corner |

Speed Corner |
■ 今回の旅行を通じて
今回は、急に大邱に立ち寄ったにもかかわらず、KimさんやDoubleWheelの皆さんにとても親切にしていただけて、本当に幸せだった。特にKimさんには、貴重な時間を割いていただき、最後には汽車の切符を買う手助けまでしてもらったりして、大変お世話になってしまった。どうもありがとう。もし、DoubleWheelの皆さんが日本に滑りに来ることがあれば喜んでサポートさせてもらいますので、遠慮無く連絡してくださいね!>Kimさん。(皆さん、ご協力よろしく!>日本のスケーター各位)
Kimさんは、スラロームテクニックが素晴らしいだけではなく、若いにもかかわらず骨太な感じのするリーダータイプのすばらしいスケーターだった。おそらく、彼とその仲間の努力によって、今後Double
Wheelは韓国内のトップチームになることは間違いないと思う。そして、その中の何人かは、きっと世界に飛び出していくんじゃなかろうか。残念ながら、今や日本勢よりも韓国勢の方が世界レベルに近い。まずは、近い将来、韓国Slalomerが世界に羽ばたき、コンテストで欧州勢を破ることを大いに期待したい。

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